ピンホールカメラはカメラの中でも、あらゆる付加価値を取り除いた、単純で基本的な構造をしたカメラです。カメラの語源となっている「カメラオブスキュラ」は、暗い部屋と言う意味で、暗い部屋の壁に小さな穴を開け、向い側の壁に写る外の景色に、昔の画家達はトレースをしていました。この「暗い部屋」を小さな箱にしたのがピンホールカメラなのです。
ピンホールカメラには、レンズを使用しない代わりに、光を通す非常に小さな穴(ピンホール)をレンズの代わりにします。ピンホールカメラは、その小さな穴から被写体の光を受け入れて箱の中に像を写し出し、フイルムに焼き込むという仕組みになっています。
ピンホールカメラは、被写界震度が非常に深く、パンフォーカス(すべてにピントが合う)の常焦点になっています。ですから、フイルムから50mmの距離にピンホールを持ってくれば、焦点距離50mmの画角に、100mmの所にピンホールを持ってくれば、焦点距離100mmの画角になります。つまり、ピンホールカメラはフイルムとピンホールの距離を自由に変え、好みの画角に設定する事が出来るのです。
手作りピンホールカメラを制作するにあたって、まず最初に決める事は、画角と焦点距離です。制作前に気になる事の一つは、ピンホールカメラの画角だと思います。画角を知るには、使用するフイルムサイズの最も長い寸法とピンホールからフイルムまでの距離(焦点距離)をフイルムの端からピンホールで交差するように線を引いたとき出来る角度が、そのカメラの画角になります。画角はピンホールからフイルムまでの距離が短いと広角側に、長いと望遠側になります。
ピンホールカメラは、前項でも書いた通り、焦点距離、画角の設定は自由なのですが、ある制限があって、焦点距離を決定すると、ピンホールの最適直径が決まります。ピンホールの特性として、穴の直径が小さい程、より鮮明な画像を得る事が出来ます。しかし、穴の直径が0.2mm以下になると光の回折現象が起り、画質が低下します。また、ピンホールのF値が250以上でないと鮮明な画像が得られないと言われています。つまりピンホールは、大きすぎても、小さすぎても鮮明な画像にはならないと言う事です。ですから、焦点距離を決定するポイントとして、ピンホールに適した直径の範囲内で、好みの焦点距離を決める事になります。下の表は各々の焦点距離とその最適直径を表にしたものです。